中学校教員への校長からのパワハラが公務災害に認定

執拗な「公務災害隠し」でうつ病を発症

 2011年9月午前8時頃、職員室の中で加害者教諭から突然一方的に胸ぐらを捕まれて、上半身を揺すぶられ机に背中から押し倒されて、頸椎ねんざを受傷する。暴力を受けた理由は、前日(日曜)の部活動の体育館の使用で半分ずつの割り当てになっていたが前日に中止したので半分を使用しなかったので、事前に連絡してくれればと加害教諭は全面使用したかったと主張して職員室に入るなり激高して有無を言わさず暴行に至った。その後は、整形外科医の診察を受けて通院治療を受けていた。

 校長からは、数週間何の対応もなく、10月になって事故報告を作成すると言うことで校長室に呼び出され、この件は両者の行き違いによるトラブルと言うことで和解し公務災害申請はしない、この問題を学校外には口外しないことで処理したいと提案され、その後長期長時間にわたり「公務災害隠し」の説得をされ、うつ病を発症して休職した。

嫌がらせは人権問題

 職場の同僚からの宮城県教組への相談で、T教諭の公務災害申請の取り組みが始まりました。家族や職場の組合員、同僚の協力も得て一気に進みました。本人が校長室での校長からの言動を当初から録音していたこともあって、公務災害隠しの実態を明らかにすることができました。校長の言動は、乱暴な言動はなく丁寧な言葉ではありましたが、事件が明るみに出ると不利になるようなことをにおわせ公務災害おろしを迫ったり、校外に知れたらあなたの今後の人事に影響が出る可能性があるとか、T教諭の人格を否定するような嫌がらせ(パワハラ)と判断できるような事実が明るみに出てきました。校長の保身のための公務災害隠しによるパワハラでうつ病を発症したとして、2012年3月に公務災害補償基金宮城県支部(以下、基金支部)に公務災害申請書を提出しました。申請書に添付する「現認書」は職場の9割以上の同僚が協力してくれて、長時間にわたる校長室での説得工作の実態や退室時の体調の変化が記述されていました。しかし、基金支部の審査は、2年もかかり2015年1月に「公務災害隠しの事実を認めず、校長としての適切な指導の範囲内として」『公務外』と棄却されました。引き続く2016年1月「基金支部審査会」においても、「多少の精神的負荷を与えていた」と認めつつ「対応が著しく不当な対応であったとは言い難い」として支部決定を追認した。

 

取り戻した尊厳!

 2016年2月再審査請求を基金本部審査会に申請して、たたかった。2016年9月26日に基金本部より請求人T教諭の主張を全面的に認めて、「公務災害認定」をかちとった。

 

 基金本部審査会は、「公務災害申請を思いとどまるよう執拗に説得し続けたことは、本件暴行の被害者である請求人に対する管理職の対応としては不適切なものであり、請求人は、職場で執拗な嫌がらせを受けたものと認める。」

 「請求人は、業務に従事したことにより、強度の精神的、肉体的負荷を受けたものと認められ、本件疾病は公務に起因するものと認めることが相当である。」

 「したがって、支部長の処分及び支部審査会の裁決は失当であって、取り消されるものである。」との裁決が出された。

 

本人と家族の勇気支えて

 本人は、「うつ病」の治療ともたたかいながらの運動でした。何度か症状の重いときもありましたが、療養を優先させながらのたたかいは、家族と教職員組合、弁護士などの支援者の支えがあったからです。

 発症から5年の長いたたかいでありましたが、“学校職場からパワハラを一掃したいとの思い”で、本人と家族、宮城県教組、いの健宮城県センターが団結してたたかい取った成果です。

 

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コメント: 2
  • #1

    小野木 清 (木曜日, 02 3月 2017 16:08)

    今日3月2日新聞記事(朝日)を見て、驚いています。
    実は、2011、2,20付で同学校を早期退職しました。(自己都合)
    思い返してみると、私もその校長及び教頭の対応が基になった精神疾患(うつ病)でした。当時も管理職らの保身のためのだったのかと疑いましたが、やはり今回の記事で証明され、無念でなりません。

  • #2

    Kiyosi.O (月曜日, 06 3月 2017 23:04)

    3月5日の「公務災害認定」報告集会に参加させていただきました。
    発言の機会を与えていただき、ありがとうございました。気持ちが高揚し、不適切な言葉もあったかと思います。私もまだ投薬中で、当時のことを思い出すたびに、未だに胸の動悸を覚えます。
    伝えきれないことがまだまだあります。職場の多忙化や管理強化だけでなく、人格に欠陥のある組織トップの存在で職場環境でもっとも大切なものが壊されています。正邪が分からなくなり、本音が許されなくなり、そのうち子供たちの願いや苦しみの声が感じとれなくなり、異常を普通と勘違いするようになる。
    不器用で、そんな職場に抗う人は徐々に精神が蝕まれ・・・・。
    T校は当時私から見て典型的な職場でした。さらに大和町の教育委員会も。
    今回の成果は同様に苦しむ全国の先生方にとって、大きな光明となりました。
    事件の根はまだまだ深いと思います。
    私にできることがあれば、非力ながらお手伝いしたいと思います。